板取川カヌーツーリング

いたどりがわ 岐阜県美濃市
流域内人口密度 418人/平方キロ (木曽川水系長良川)  
リアルタイム水位 下洞戸
駐車場 下洞戸 河原にいくらでも。運動公園があり、その駐車場も可。
和紙センター 河原にいくらでも。
城山橋 河原にいくらでも。
長瀬の堰堤 駐車困難 
トイレ 下洞戸の運動公園にあるはず
買い出し 付近にはなし。
温泉 武芸川温泉(600円)
日本まん中温泉 子宝の湯(500円)
ひとこと 瀬がある清流を漕ぎたい人向け。和紙センターから長良川の美濃橋までがお勧め。
鮎釣り師は多い。

城山橋〜長瀬の堰堤(99/10/2) 晴れ時々曇り

下洞戸〜長良川合流 11.6km 5.3‰ 

 今回のツーリングには、ひとつの実験があった。今回もソロツーリングであるが、電車等の公共交通機関に頼らず、自転車を使っての回送を試みたのである。それも、折り畳み自転車などという気の利いたものを持っていないので、愛用の婦人用自転車。27インチの内装3段変速装置付きだ。この回送に問題がなければ、電車が並行して走っていない川も下ることが出来るようになるのだ。自転車とカヌー・キャンプ用品を愛車・カルディナに詰め込むと、さすがに車内に寝るスペースはなくなった。
 さて、10月2日。昼過ぎまで岐阜で営業にまわっていたため、日没時間を考えるとあまり長距離を下ることは出来ない。いつもこの川を下るときは和紙センター?の辺りか、もう少し上流から下り、長良川に合流して美濃橋まで、堰堤.jpg (6382 バイト)という区間を漕いでいるのだが、今回は距離を短縮した。ゴールは長良川合流手前の堰堤(写真左)に決定した。ここでスーツ姿で荷室から自転車を取り出していると、向かいの酒屋のオヤジが「釣りかね?」と聞いてきたので、「カヌーです」と答えると、「これは珍しい。この川でカヌーは見たことがない。よし、ここの駐車場を使ってもいいぞ」と申し出てくれた。せっかくだけど、車はスタート地点に置いておくことになるので断ったのだが、気持ちのいいオヤジであった。この堰堤に自転車を放置する。
 通常のスタート地点・和紙センター付近は鮎釣り師に占領されている。ひとつ下流の橋の付近も同様であった。実は先週長良川は台風の影響により、何十年振りかの増水となり、その前の週も大雨が降っていたので、鮎釣り師もこの週末を楽しみにしていたに違いないのだ。気持ちよく漕ぐためには、釣り師に出逢わないに越したことはない。スタート地点をさらに下流に移し、結局城山橋上流右岸にした。ここはいつものツーリング区間であれば、昼食に使っている河原である。
 デイキャンパーの見守る中、スーツからパドリングウェアに着替え、カヌー透明.jpg (6530 バイト)をセッティング。スタートは15時半であった。こんな遅い時間にスタートするのは初めてだ。この日の水質はまずまず。3mほどの底まで見通せる。実は増水の後というのは、川底の苔や浮遊物が洗い流され、水質が良くなるものなのであるが、板取川での3mというのはよくあることで、ちょっと期待はずれなのである。水量はやや多めで、ツーリングにはベストであったが、大水の後は岩が動かされて瀬の形が変わっていることがあるので、慎重にツーリングを進めた。水が綺麗な川というのは、やはり気持ちがいいものだ。川岸には交通量の多い道路があり、ロケーションは良くないのだが、透明な水をパドルが叩く音というのは、気持ちをリラックスさせてくれる。ほぼ500mおきに現れる瀬は、水を顔か胸まで浴びる程度のものだ。だが、区間中ほどで現れる瀬はちょっと難しい。
瀬.jpg (7646 バイト) 左の写真がそれである。上流側から見たところであるが、流れは右の白波に向かって突っ込んでいき、そこで50cm落ちてから左に60度曲がり、その正面には大きな岩があって、流れは左右均等に分かれている、というものだ。増水のせいか瀬の形が少し変わったような気もする。記憶にあるものよりもフクザツなのだ。ソロツーリングでは未だ沈したことはないのだが、今回はそれを覚悟した。右岸からも左岸からも下見が出来るので、下見をしながら頭の中で漕ぎ抜けるイメージを作って、艇に乗り込んだ。大岩の分流で左に行くつもりである。鮎釣り師2名が、見守る中、スタートした。左へ左へとラインを取りたいのだが、水深が浅く、隠れ岩で尻を何度も痛打した。今回もグモテックスジュニアという空気を入れるだけのインフレータブルカヌーを使っており、船底には緩衝材も何も入っていないので、こんな場面では尻が辛いのだ。なんとか白波の左端あたりを通過し、ここで大きく左折し、懸命に漕いで、大岩の左を通過することに成功。いや〜、よかったよかった。下見したときに感じたほどの難しさはなかった。
 ふたたび、静かな流れにゆったりと身を任せる。次なる瀬は、流れが集まってきて波がだんだん大きくなり、120度右に曲がり、最後に50cm落ちる、というもの。こでも艇から下りて下見をしたが、増水前と変わりはなさそうである。この瀬は、すぐ下流部に澱みがあって、沈脱してもあまり流されずに済むのだ。ここも無事通過。
 この後は、下見をするほどの箇所はない。1km近く流されていき、左岸沿いに民家が現れると、まもなく堰堤。ツーリングはここまでである。出逢った釣り師は10人くらいであろうか。凶暴な人はいなかった。


 カヌー用品一式を河原に置いておき、とめてあった自転車にまたがり、パドリングウェアのままスタート地点の車の回収に向かう。この川は、左岸に交通量のある道があるが、右岸にも一車線の細い道がある。こちらの道路を使った。両岸に道路があるので、全ての瀬が事前に確認できるので、便利だ。先ほど下った川を自転車から確認しながらスタート地点に戻った。この間の距離がやたらと短かったのである。後になって地図を見てみると、下った距離は3kmくらいしかない。下見を二回しながらも一時間で下ることが出来た理由がわかったような気がした。
 車に戻ってから着替え、自転車を積み込み、再度ゴール地点へ。そしてカヌー等を車に放り込んで、本日のキャンプ地・美濃橋へ向かった。明日は仲間と長良川を下るのだ。

下洞戸〜和紙センター(2001/10/7) 晴れ時々曇り


 前回のレポートとは、時を隔てて別の区間である。今回は、下洞戸〜和紙センターという、あえて堰だらけの区間である。知人がそこを下ったときのツーリングレポートを読んで、私もその気になってしまったのだ。
 車で川を下見しながら漕ぐ区間を考えたのだが、いかんせん水量が少なすぎる。でも、水が澄んでいるために、余計に浅く見えてしまうという赤木川の例もあったので、あまり気にしないことにした。水量のある他の川に移動するにも、もう時間はなかったし。
 下洞戸橋のあたりで発電所からの放水があり、水量が幾分増えるようなので、その下流をスタートとした。2組のデイキャンパーに見送られながら出艇。
 500m漕いで、一人の釣り師を交わしたところで、早くも一つ目の堰である。左岸からライニングダウンした。ギャラリーのいる堰の手前ではいつも思うのだが、「このパドラーは、目の前に堰があるのを知っているのだろうか。そのまま行くと危ねーよ。」もしくは、「堰に引っかかるところをみてみたい。」という視線を感じるのだ。だからこちらとしても、「堰の存在には気が付いているのだよ、キミ。ふふふ。」というアピールをする必要があるのだ。
 ギャラリーに対して、このような心の駆け引きをしながら、ツーリングを続ける。水量の少なさは、予想以上であった。ポリ艇なので、ライニングダウンはそれほど必要ないのであるが、隠れ岩があまりにも多すぎる。まさに隠れ岩の見本市といった雰囲気だ。すこしでも水量のあるルートを探し、さらに、水面の変化から隠れ岩を早めに察知しなければならない。ルートを読む力をつけるには、うってつけのコンディションである、と言えるかもしれない。さらに、釣り師も多かった。漁の仕掛け(水面にロープを張っている)もてんこ盛り。とても気を遣う、大変なツーリングとなった。はっきり言って、楽しくない。水質はいいが、板取川ならそれも当然のこと。右の写真は、水深1.5mの地点を水中撮影したものである。

 瀬の話もちょっと記述しておこう。5kmほどのツーリングであるが、胸くらいまでの波がかかりそうなのは、5箇所くらい。ただし、あくまでも「波がかかりそう」に見えるだけなのであって、実際は瀬の中でも岩に引っかかることが多く、手を川底について、艇を押し出さなければならないことが幾度もあった。このような状態なので、あまり水を浴びることはなかった。今回使用した艇は、L-1改。艇長が長いため、「体がこの岩の左を過ぎたら、バウをあの岩の右へ向けて・・・」と考えていても、もうバウは岩の左に刺さっていたりするのだ。艇の選択を完全に間違えた。瀬の下にいる釣り師も竿をあげて待ってくれているのだが、こっちは一向に瀬を下りていくことが出来ない。水量があれば細かいルート取りも気にする必要もなく、気持ちいい瀬なんだろうけど・・・ なんでこんな辛いだけのツーリングをやっているんだろうかと、ふと疑問に感じたりもした。
 二つ目の堰は、下見の時に、右岸からポーテージすると決めていた。が、そんなこと思い出す余裕もなく、左岸側に艇を寄せてしまい、「やっぱ左からは危ないよなぁ。」ということで、結局右岸へ移動した。
 このあともやはり水量に悩まされながら、ゴール。着替えをして、折り畳み自転車で車へ戻ったのだった。

 あ、そうそう。2つの堰の間に、川幅一杯にテトラポットが鎮座している場所がある。幸いにも流れが緩く、冷静に観察することが出来たが。私は、右岸側の端に2m幅の隙間を見つけ、そこをボトムを擦りながら下ったのであった。

 水量があるときでも、もうこの区間はやめておこう。一生に一度で十分だ。

(おわり)

おまけ

 板取川に向かう途中で見かけた、岐阜市・信長祭りの武者行列のみなさん。街中へ向かって歩き始めたところ。