北山川カヌーツーリング

きたやまがわ 和歌山県北山村
和歌山県熊野川町〜本宮町
流域内人口密度 36人/平方キロ (新宮川水系)  
リアルタイム水位 辻堂 ←ツーリング当日は2.22m
駐車場 オトノリ 観光イカダ下りも利用する公共駐車場に15台
小松 観光イカダ下りも利用する公共駐車場に50台以上
田戸 観光用駐車場があり、川へはそこから急な階段を下りていく。
玉置口 右岸に停められたと思う。
瀞大橋下流左岸 いくらでも。
九重 いくらでも。
トイレ オトノリの駐車場。
田戸の階段の上。
瀞大橋にもあったかも。
買い出し 田戸の階段下に、めはり寿司と鮎の塩焼きとビールの売店。
上記以外の小売店はない。
温泉 おくとろ温泉(500円) 道の駅奥瀞にある。
やすらぎの湯(600円) 別料金でプールもある。
湯の口温泉(300円) 車でも行けるが、小川口から片道100円のトロッコ利用が楽しい。
ひとこと 田戸より上は激流系であるが、下はのんびり絶景コースとなる。
観光イカダやジェット観光船を優先させよ。

オトノリ〜小松 (2005/6/26)

3.5km  4.3‰

 カヌー歴8年にして、ようやくオトノリ初挑戦。ここは、近畿最大のビッグウェーブがある川として知られており、ロデオ系パドラーのメッカとなっているところである。私も今日ばかりはのんびりパドラーというわけにはいかないのだ。
 オトノリとは、「音乗」と書くが、書籍によっては「音鳴」と表記している場合もある。

 スタートでの川へのエントリーが少々足場が悪く、丸太で作ったハシゴを、カヤックを担いだまま渡ったりという事が必要で、そのバランス感覚さえない人はココを漕ぐんじゃないと、暗に言われているような気がした。
 ここでは、観光イカダ下りというものをやっており、村の名物となっている。丸太を組んだイカダを連結し、お客さんはそれに立って、両側の取っ手を握って乗る、というのが正しい乗船姿勢である。このイカダ下りがエエ感じになるように、その営業時間に限って小森ダムで放水をしているため、水量が安定しているのだ。さらに、本流上の危険な岩は取り除かれている。自然な河川の状態とはほど遠く、それを嫌う人もいるだろうが、私にとってはイカダ下り様々である。
 ちなみに、オトノリ〜小松というツーリング区間は、イカダ下りと全く同じ。

 我々のパーティは4人。松井さん・Iさん・おっちゃん・わたくしといった面々である。オトノリ初体験は松井さんと私。
 最初の瀞場で全員ロール練習をしてから、オトノリの一段目の瀬を下見した。次々に下ってくるパドラーのライン取りを参考にすれば、右へ寄りすぎると沈して、揃いも揃って脱してしまう、ということになっていた。オトノリは全部で三段の瀬になっており、下へ行くほど難易度は下がるとのこと。右写真は一段目を上流側から見たものである。

 おっちゃんが下り、Iさん、私が無事一段目をクリアし、そこで松井さんを待っていたが、松井さんは案の定と言うべきか、とにかく沈をした。ロールを二度試みたが失敗に終わり、脱。沈脱してもパドルは手離してはならないというのが沈脱者の掟であるが・・・ おお、「沈脱者の掟」なんて映画のタイトルみたいで格好いいではないか! でも、そんなこと今は関係ないのだ。 えーと。松井さんは珍しくその掟を破ったのだ。初めて経験する大きな水圧に、パドルを持っていられなかったらしい。
 その松井さんを追いかけていたので、二段目・三段目の記憶は私にはない (^^ゞ

 二級程度の瀬をいくつか越え、次なる大きな瀬は上滝とかナイアガラとか呼ばれていて、全面が真っ白に泡立っているすごい瀬だ。右岸から下見したが、再び漕ぎ出すのが大変なので、左岸から下見した方がいいように思った。
 ここの下り方の見本を見せてくれるはずであったおっちゃんが沈した。左写真の瀬の中の赤い艇がそうであるが、この辺りでバウを左に持って行かれるとのこと。さらに、ローボリューム艇では、ここでボトムが岩にあたるらしい。そして無事ロール成功。
 次に挑戦したIさんは、この瀬を平然と下りてきた。
 私の挑戦は、やはりバウが左に振れ、流れに対して艇が真横を向き、その状態でひと波を越えたが、そのあと沈。こんなに激しい瀬の中でのロール挑戦は初めてであるが、嬉しいことに一度ですんなりと成功した。ここでロールができたということは、十分ロールに自信を持ってもいいということであり、その自信を得られたことで、この沈は私にとってプラスに作用したのだ。今度漕ぐときにはここをクリアするという目標を立てられるし。
 しかしながら、松井さんがここを無沈で下ったことに、私の心は静かに動揺したのであった。
 Iさんに撮ってもらったこのときの私の動画(2.3MB)はこちら。松井さんの動画(20.MB)はこちら

 このあとも落差のある立派な瀬が次々に現れた。水量があり、勾配もきついので、水のパワーが普段漕いでいる河川とは比較にならないほどキョーレツで、同時に、それをクリアしたときの爽快感は格別であった。
 水の透明度は、陽が差した状態で1.5m底が辛うじて見えるという程度。まぁ許容範囲ですかね。

 後半に存在するある瀬で、ホールができている場合があるので要注意、という説明を受けたところがある。イカダ下りにとって危険なため、イカダ下り業者がそれを潰しているが、いつのまにかパドラーがプレイスポットを欲しいが為にホールを造っているという噂があるのだ。ホールを造るというのがにわかには信じがたいのだが、聞いてみると北山川の特性を生かしたやり方で、納得がいった。この行為は非常に危険で愚かで間抜けなものであり、心当たりのある方はもうやめてもらいたい。この北山川に関しては、イカダ下りがあるお陰でパドラーも楽しませてもらっているわけで、彼等が危ないといって撤去したものを造るなどもってのほか。下手をすれば、北山川からの全パドラー追放ということにもなりかねないのだ。

 で、この区間はわずか3.5kmであったが、瀬の密度が高く非常に楽しめた。毎シーズン何回か来るようにしたいと、強く思った。

 小松をゴールにするパドラーが多いが、これより下流へ向かうなら、7km先の田戸まで行くしかない。小松をすぎて間もなく下滝という大きな瀬があるほかは、小松までの区間に比べて瀞場が長くなるらしい。小松以降はカヌー初心者の頃に一度ファルトで下ったことがあるが、長い瀬に恐怖を抱いた記憶しかない・・・

 

田戸〜九重(2002/10/13〜14)

1日目

16.7km  1.5‰

 今回漕ぐのは、田戸〜九重。パートナーは月座さん、松井さん、田畑君と、たけちゃんだ。
 初日は小川口までの9.0km。
 9.0kmであるが、車での回送は、片道35分も掛かった。川沿いに道路が走っておらず、やたら遠回りを強いられるのだ。その道中も、余所の地域では味わえないような深い深い山の中を走ることになる。
 さすが陸の孤島。
 よっ、日本一!

 田戸にはジェット船の乗り口があり、そこまで渓谷を下りていかなければならない。艇を担いでとなると、少し疲れるが、河原にはテントを張った売店があり、那智黒の彫り物や、焼き鮎・めはり寿司を売っている。とくにめはり寿司は、どこのものよりも、田戸のものが一番美味しいと断言してしまうのだ。ちなみに、ここの焼き鮎は養殖物を使用しているらしい。

 めはり寿司と鮎で昼食を摂って出発。最初のカーブを曲がれば、もうそこは人工物が一切目に入らない瀞八丁。初めて漕いだときには、中国の山水画のようだ、と、感動を覚えたところである。岩の合間合間に小さな河原があり、キャンプツーリングも面白そうだ。下は360°のパノラマ写真。

 瀞峡を抜けた右岸の河原で小休止。ジェット船の記念写真スポットにもなっていて、ここにもテントの売店があった。たこ焼きやソフトクリームも売っている。
 ジェット船は、平均して10分に一度くらいの割合で走ってくる。カヌーの近くではスピードを落としてくれるが、それでも時速30km/h以上。ジェット船が起こす波は、初心者にとっては、沈の驚異となる。
 この下に、小さな瀬が2つ。この程度で沈なんてしようものなら、7代先まで笑われること必至である。
 この先は大きな河原が現れるようになり、その多くは車でも乗り入れが可能なようだ。大きな流木があり、これに火をつけることができれば、豪快な焚き火ができそうだが、焦げ目をつけられただけに終わった流木も目についた。

 ゴール目前で、スプレーカバーをしていなかった田畑君の艇に水が溜まり、料理で言うひたひたの状態となり、沈。

 上陸後、最近できた温泉・やすらぎの湯に行った。小川口の河原からは徒歩3分。入鹿温泉の湯を引いている。

 そのまま小川口の河原(キャンプ場・無料)で一夜を過ごす。
 

二日目

 残りの九重までの8.2kmを漕ぐ。
 前日同様、乗艇前に私だけが入念にストレッチをする。みんな、そんなことじゃぁ、どうなっても知らないかんね。

 スタートしてすぐにジェット船が疾走してきた。私はジェット船の波を使ってのサーフィンだ。この波から外れるときに右のスターンラダーを入れたのだが、そのとき、「ぐきっ」という感覚と共に、私は背中の筋を痛めてしまった。うわー、なんてこった。
 出発してわずか100mでやる気をなくす。唯一ストレッチをした私がこんな目に遭うなんて・・・。右のスターンラダーには魔物が住むと言われる所以である。(うそ)

 その後は、息をするだけでも背中に痛みが走るほどで、顔をしかめっぱなしのツーリング。そのせいもあるが、写真を一枚も撮ることがなかった。写真を撮らなかったもうひとつの理由は、あまり印象に残る風景や出来事がなかったから。
 覚えているのは、河原が多いために、前日に比べれば釣り師は多いけど、川幅があるので、避けるのは容易、ということと、月座さんが、釣り師に男性だと思われたこと。
 月座さんは結構男の人に間違えられやすく、その都度「いつものこと」という顔をしているが、心の底では泣いているはずだ。月座さんは、実はナイーブなのだ。酒を飲んでいないときは、多分そうに違いない(そんなことないかもしれない。よく分からん)。

 顔をしかめたまま漕ぎ続け、やっとゴールの河原が見えてきた。ようやく苦痛から開放されるという安心感から、小さな波を見つけて性懲りもなく、またサーフィンをしてみた。右にスターンラダーを入れたところ、「ぐきぐきっ!」。 また背中をやってしまった。痛さ3割増し。

 ゴールすると、私はすぐさま腹這いに寝転がり、背中を休めた。川では松井さんがロールの練習をしている。でも、一度も成功することはなかったみたい。

 艇を車に載せる作業は、たけちゃんと松井さんにお願いした。そんな重労働、そのときの私には無理な話であった。その後3日間も、背中の痛みは引かなかったのだから。

 さて、温泉。小川口にもう一件ある温泉(湯の口温泉)に行った。キャンプ地から車でも10分で行けるけど、小川口からトロッコが運行されているので、それに乗って行った。
 車両の幅は120cmくらいで、車両の横に立てば、その屋根が見える、というくらいの小ささ。車両と車両の間はチェーンで結ばれているだけ。もともとは鉱山列車であった路線だ。
 運賃は片道100円。8分の非日常空間の旅だ。緑色の古い方の車両は、木枠の窓で、走る振動でそれが暴れまくって騒々しく、かつジワジワ動く。天井には電灯があり、ねじ込み式のガラスがついているのだが、その取り付けも緩んでいた。過去には、それが落下したことがあるはず。
 うーむ。素朴すぎるぞ。
 温泉の方は、前の日に寄ったやすらぎの湯とは異なる源泉から引いた温泉である。ボディソープはあるけど、シャンプーなし。食堂が併設されているものの、14:00の時点では営業していなかった。

 キャンプ場の向かいにあるなんとか旅館の食堂でめはり寿司定食530円也を頂き、解散した。

 記憶にあった北山川より水質は良かったけど、2日目の区間は背中を痛めたお陰で印象は悪い。もうここは漕ぎたくナッシング。

(おわり)